写真はノヴォシビルスクの鉄道技術博物館にて展示されていたアルコール輸送用タンク車です。
タンクは覆い隠され、謎めいた有蓋車に見えます。昭和27(1952)年製造。
そして博物館の説明書きにはロシア語で「спирт」(スピリット)の文字が・・・
さすがはお酒がたくさん飲めるロシア、酒を輸送するための貨車かと思いきや、タンクは真っ黒であり、どうみても工業用アルコールか何かを輸送するためにしか見えません。
ということは安全性を保つため有蓋車になっているのかと思ってよく調べてみると、タンク車であることを隠すため、このように有蓋車の構造をしているとのこと。
おそらくは軍事上の機密物質としてアルコールを輸送していたものと考えられます。
さらに調べたところ、wiki日本語版なので信憑性は不明ですがwikiの ミグ25 によると、
「300L ものアルコールを冷却用に搭載したため、ロシアでは『アルコール運搬機』を意味する Спирт-Воз (Spirt-Voz) という愛称が用いられた」
とのこと。
冷戦下においてソ連軍のジェット戦闘機がどこに展開されているかを西側諸国に知られたくなかった、そのため有蓋車に偽装された・・・と見るべきなんでしょう。
軍事的に見ても興味深い車両です。
とはいえMiG-25の冷却用アルコールは美味で飲まれていたとの記述もあったので、やっぱり酒飲み用なのかもね・・・
自重:12トン
タンク容量:25立方メートル
設計速度:時速80キロ
車体長:8250mm
開いた有蓋車扉の中には黒々としたタンクが・・・まさに
2軸タンク車
です。
昭和27(1952)年ルーマニア車両製造工場で製造され、平成12(2000)年博物館入り
ちなみに隣には
シベリア抑留者を輸送していたかのような有蓋車
が展示してあります。
博物館のここのコーナー自体が不思議な感じ。
Photo Date:29/Sep/2011
Posted Date:15/Oct/2013